小学校でのプログラミング教育必修化が目前に迫ってきました。世の中のめまぐるしいICT化に、子どもたちよりも保護者である私たちの方がついていけないような気持ちになってしまいますね。
今回は、AIやロボットが台頭する世の中を生きていく子どもたちのために、自宅で楽しく学べるロボット・プログラミングの教材をまとめました。論理的思考とさまざまなアイデアを育てる教材を集めましたので、参考にしてください。
もくじ
ロボット・プログラミング教材ってどんなもの?
ロボット・プログラミング教材といっても、その形態はさまざまです。
プログラミングという名前から連想する通り、終始パソコンの中で完結する学習方法もあります。画面の中のキャラクターやイラストを指示通りに動かす学習ソフトや、写真や動画を用いたWebサイトを作る学習ソフトがこれに当たります。
一方で、アンプラグドと呼ばれる、パソコンを一切使わずに論理的思考力を育む学習方法も存在します。ゲームや工作を取り入れて考え方を学ぶ方法や、簡単な電子教材を使うことで、ものを動かす感覚を学ぶ方法です。これは、比較的年齢の低い子どもたちや、まだロボットやプログラミングに触れたことのない子どもたちへの導入としてぴったりです。
ある程度仕組みが分かった子どもたちには、実際に組み立てて思い通りのロボットを作る教材をおすすめします。
ブロックや工作キットと電子パーツがセットになったものが多いですから、何度かテキスト通りのものを作ってみた後は、自由にアレンジしてそれぞれに思い描くロボットを作ることができます。拡張セットが販売されている教材もありますから、物足りなくなってきたら買い足してあげることで、好奇心を満たす良い学びの機会となっていくことでしょう。
わかりやすくて楽しい!ロボット・プログラミング教材(就学前~低学年向け)
まずはアンプラグドと呼ばれる、パソコンを使わずにモノを思い通りに動かしてみることを学ぶ教材を紹介します。
はじめはでたらめにつないで、ただ動きを楽しむというところから始めるのも良いでしょう。そうしたことを繰り返すうちに、子どもたちは目的の動作になるよう試行錯誤していくことになります。
シンプルに進む方向を考えてプログラミングする「PETS(ペッツ)」
PETSは2つの車輪が付いた箱状のロボットです。上に9つの穴が開いていて、そこに「前に進む」「右に向く」などの方向の指示を出すブロックを差し込むことで、指示通り順番にPETSが動いていきます。
マスにスタートとゴールを設定して思い通りのルートをたどってゴールを目指すなど、ゲーム感覚で取り組むことができます。慣れてきたら障害物を置いて難易度を上げることで、幅広い年齢の子どもでも楽しむことができます。
PETSはインターネットの環境もタブレットも必要ありません。単三電池で動くため、どこでも手軽に学ぶことができます。まだロボットやプログラミングに触れたことのないお子さんへの導入教材としてぴったりです。
どんなものか、実際に見てみたい場合は、各地でワークショップを開催していますので、Facebookページを参照するとよいでしょう。
PETS家庭向け組み立て版 ¥21,600(税込)
対象年齢3歳後半から
音やライトで暮らしに役立つものを作る?「PIECE(ピース)」
PIECEはくらしの中で課題解決能力を育むことをテーマに開発された教材です。キューブ上の「モジュール」といわれるパーツをくっつけていくことで、くらしの課題を解決していくものを作ろうというコンセプトで作られています。
モジュールは、電源、入力、出力、機能に分かれており、電源の左に入力モジュール、右に出力モジュールを取り付けることで、何かの情報(振動、音、光)があった時に、動き(LED、振動、音、モーター動作)が出力される簡単な仕組みです。
しかし、使い方はアイデア次第で、ふたを開けると震えるびっくり箱になったり、ドアを開けたら音が鳴る仕組みになったり、暮らしの中のさまざまなことに応用していくことができます。
また、機能モジュールを組み合わせることで、さらなる拡張が可能です。たとえばNOTのモジュールを入力に追加した際は入力モジュールの反対の動きで反応することになります。明るさを感じた時に動作をする指示を、暗い時に動作をする指示に変換することができます。
こういった機能モジュールを組み合わせることで、論理的な思考力が育まれ、タブレットやパソコンを利用したプログラミング学習へとスムーズにつなげていくことができるでしょう。
PIECE(ZZ-01)13,824円 (税込)
対象年齢6歳以上
より深く、より楽しく!ロボット・プログラミング教材(小3~高学年向け)
パソコンやタブレットを使わずに論理的思考力を育むことができたら、今度は自分で作ったものを思い通りに動かしてみましょう。自ら動くロボットを作ることで、感性も育まれ、楽しく学べること間違いなしです。
美しいブロックでセンスも磨こう!「KOOV(クーブ)」
一見、よくある透明ブロックにも見えるKOOV。しかし、センサーやケーブルなどの電子パーツも大変スタイリッシュでデザイン性に富んだ製品となっています。
販売元であるソニー・グローバルエデュケーションでは、世の中のICT化が進んだ時に、人間に必要となるのはデザインセンスや感性だと考えています。KOOVを使用してロボット・プログラミング学習に取り組むことで、今後を担う人材に育ってほしいという願いが込められています。
KOOVは専用の学習アプリと連携しています。組み立て方を丁寧なCG画像で見ることができる「ロボットレシピ」、体系的に学習を進める「学習コース」、自由に作ったものを仲間と共有できる「自由制作」の3方向から興味のあるコースに進めていくことができます。
KOOV®スターターキット 36,800円(税別)
KOOV®アドバンスキット 49,880円(税別)
対象年齢8歳以上
工作好きな子どもにおすすめ!かわいい動物 「embot(エムボット)」
embotはダンボールを使用して動物の形をしたロボットを組み立てる教材です。素材がダンボールであるため、子どもにも取り扱いが簡単であること、価格が安価に抑えられることが大きな利点です。
こちらも組み立ての際はチュートリアル動画があるため、子ども1人でも取り組みやすくなっています。組み上がったロボットは、アプリからプログラミングを行い動かします。指示をブロック状にしたものを重ねるだけではなく、アイコンをつなげて感覚的にプログラミングをする手法も取り入れており、初めての子どもでも楽しく取り組めるよう工夫されています。
また、素材がダンボールという点は、色塗りや貼り付けなど、工作作業との相性がよく、同じキットでも、全く違うものにアレンジすることができるため、愛着もわき、楽しく学習することができます。公式サイトでも、ダンボールの部分を牛乳パックやペットボトルなど、家にある素材でカスタマイズして、感性を育てることを推奨しています。
embot ¥5,684
対象年齢6歳以上
まとめ 子どもに合った教材で楽しくロボット・プログラミング学習を!
ロボット・プログラミング学習の教材の中から、導入にぴったりのアンプラグドの教材と、自分の作りたいものにどんどんアレンジさせていける教材をご紹介しました。
どの教材も志向を凝らしているものばかりですから、子どもの発達や理解、興味に合わせて揃えてあげることで、小学校でプログラミング教育が始まった時の戸惑いも少ないでしょう。
日常の放課後ではなかなか時間が取れないお子さんの場合は、夏休みなどの長期休暇や週末を利用するとじっくりと取り組むことができ、集中力や感性を育てることができます。興味はあるけど、他にも習い事をしているというお子さんたちにおすすめです。
ロボット・プログラミング教材のサイトは動画を使われているのが多くありました。教材の紹介や、実際に使っている様子、ワークショップの子どもの反応などが大変わかりやすく紹介されていますので、教材選びの参考になさってください。